アラスカ物語

「俺たちはノームに行ってきたんだ!!」

「俺はゴールドマイナー!!」
(ゴールドマイナーはゴールドを求めアラスカにやってきた荒くれ者)

アンカレッジの混雑するチェックインカウンターにも関わらず直さんは担当の白人女性に軽快なジョークを飛ばす。そしてそれをまた彼女は興味津々と聞いていた。

今、僕はシアトルのタコマ国際空港にいる。
13時20分時発成田行きのANA177便を待っている。

早朝の飛行機でアンカレッジからシアトルにやってきた。

長いようで短かった二週間の旅も終わろうとしている。

昨日の夜、何故だかソニアさんと三人で映画を見て過ごすことになった。1985年の映画でハリソンフォード主演の「Witness」という映画だった。
ペンシルバニアのAmishという現在でも自給自足の暮らしをする人達を巻き込んだ刑事ドラマ。

ソニアさんは見ていたあいだもずっと私達に気を使ってくれて、ワインにおつまみに至れり尽くせりであった。日本語字幕は無かったけど僕もそれなりに楽しめた。映画を観ながら最後の夜は静かに更けて行く。

映画の終わりとともに私達もなんだか旅の終わりモードになった。

そして直さんと今回の旅の話になった。

「やっぱり人だなぁ!」

いつもの江戸っ子のようなべらんめぇ口調で直さんが言った。

「こんなのはなぁ、人が登場するからおもしれぇんだよ!」

「濁流下りや、ちょっとくらい綺麗な景色なんか、そんなのどこにでもあるだろう!」

「俺たちはアラスカに物語を見にきてんだよ」

「そうだなぁ、この旅の主人公はパトリックかぁ」

と最後に笑いながら直さん。

今日、最後に空港に送ってくれたソニアさんがハグしながらこんなことを直さんに言っていた。

「あなたにノームが本当のアラスカだと教えてもらった。ありがとう!」

そういやノームからアンカレッジに帰ってきた直さんはしきりとそのことを地元っ子のソニアさんに何度も話ていた。

今、自分自身を今回の旅を振り返っている。

人に影響され、また人に影響も与える。そして人を避けることもできず、人とともに生きて行く。

今回の旅は有無も言わさず人とともにいる旅であった。「やっぱり一人が」としょうもないことをすぐに考えてしまう自分であるが、この旅は自分にとって偉大な旅であった。

「やっぱり人だなぁ!」

僕は人の大陸に生きている。

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搭乗の時間が迫ってきた。もうすぐ日本に飛び立つ飛行機が出発する。さっきシアトルに向かう飛行機の中でBOOWYのJUST A HEROを聞いていた。Liveバージョンの最後の曲である。最後に氷室京介が叫ぶ。

センキュー!!

センキュー アラスカ

(時間が無くもっと書きたいこと見せたい写真もあったがそれはまた番外編で)

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